ドラゴンクエスト ユア・ストーリー
公開日:2019年 8月2日
監 督:山崎 貴
声の出演:佐藤健 有村架純 波留 吉田鋼太郎
さて〖ドラゴンクエスト ユア・ストーリーズ〗
おもしろかったか?と聞かれたら「面白かったよ!」と答えたいところではある。
ただやっぱり世間でももうこの映画は問題作扱いされているんだろうか?ネタバレが怖くて映画の評判などはあまり見ていないので分からないが…。
問題作と評されるのはやはりラストのオチ。この部分だけだろう。
で、まずは超ネタバレだがどんなオチなのか簡単に…
“ 魔王の復活を阻止すべく旅を続けてきたリュカ。仲間と共にゲマの城に乗り込み最終決戦に挑む。そこで天空の勇者である息子アルスとゲマを倒し、天空のつるぎで門を閉じることに成功した!と思った瞬間……
リュカ以外のキャラが全員動きを停止し、背景がポリゴン化されていく…。
で、全身タイツに白い仮面を被ったような真のラスボス(?)が登場。
「俺はドラクエが嫌いなくそプログラマーが作ったウィルスだ!
いいか、ここはゲームの中の世界だ!この破壊してお前を現実の世界に戻してやる!」
そして主人公はウィルスバスターと共にこいつをやっつけ
ゲームの中の世界をすべて元に戻り平和は取り戻されました めでたしめでたし ”
というのがこの映画の大オチ。
なのでやっぱり “ この世界はゲームの中のお話でしたー!“
ってやられるのはやっぱり反則なんじゃ…て感じ。
そりゃ最後のバトルも熱いんだけど
スライムが実はウィルスを監視するウィルスバスターでした!
このつるぎがウィルスを倒せるワクチンです!
って言われても、ねぇ?
だいたい嫌な予感はあった。ドラゴンマスターことプサンとの会話。
妖精の村を訪れることになった時
「ロボットが守っている」「ロボットって変じゃない?」
「まぁ今回はそういう決まりだからしょうがない」「??」
こういう会話があってプサンのメタっぽい発言が引っ掛かったが、これは主人公のゲーマーがゲームを始める前の設定でロボットを出したいと希望を入れたからであった。
映画開始して最初の2分。物語はすべて実際のドラクエのゲームの画面でダイジェストになっていた。これでも主人公がすでにビアンカやフローラと会っていることが分かるので、設定を時間をかけずに説明するにはいい手段だと思ったが、これも実は伏線で主人公がゲームの設定時「こどもじだいをスキップする はい」にしたからこうなったという話。
そしてユア・ストーリーというタイトル。この映画の世界は、ドラクエ5が近未来でリアルに体感できるバーチャルゲーとしてリメイクされたもの、という設定。もしかしたらそのゲーム機の名前が『ドラゴンクエスト ユア・ストーリーズ』なのかもしれない。
そうでなくてもドラクエの世界に入り込み、あなた自身の物語として体感できるというコンセプトのゲームなので終盤のシーンでタイトルの意味が分かる。
このようにタイトルも回収されるし、ちりばめられた伏線もすべて回収されていくのでその辺は映画として上手く作られているなーと感心するが、主人公がドラクエの中の人物ではなくゲームのプレイヤーだった、というのは受け入れ難い結末かな…。
だいたいこの映画の評判で“結末(オチ)がくそ”みたいな類の話を聞いて一番真っ先に思いつくのが実はゲームの中の話でしたーってやつで、簡単に想像できるような陳腐なオチで映画を作るんじゃないよっ!って話です。
ただね、映画が終った時後ろの席にいた親子連れの小学校低学年の子どもが「あーーおもしろかった」と呟いた。それ聞いた時、なんだかホッと安堵した気持ちになった。
おそらくドラクエ5リアルタイムで経験もしてない世代には受け入れられたのか。そして子供には物語の向こうにプレイヤーがいるという世界観も新鮮におもしろいと思ってもらえたんだと。
そう思うと、ドラクエど真ん中世代の大人たちがやれ“くそ映画だった”“物語を突然ぶち壊した”だのと声高に発信することもないんじゃないかなという気にもなる。
だからといって映画の結末として “あり”か “なし”かと言われたら
断然“なし”だけどね!