子どもの頃の上条漣(玉木宏)が父・勇人の葬儀に出ているときの回想。
近寄ってきた記者を漣の上司だった・千堂大善(椎名桔平)が追い払う。
千堂が言う
「君のお父さんは、勇敢だったよ。
でも、警察官としては3流だった。
お父さんがどうして死ななければならなかったのか
その答えが知りたければ、あの人と同じ道をたどるといい」
上条は父を自殺に追いやった犯人が持っていたライター
それが権藤秀夫(吉田鋼太郎)が千堂から貰ったと聞き
直々に千堂を呼び出して問い詰める。
千堂は防犯カメラに映っていたのは自分で
漣の父を脅迫して自殺に追い込んだとあっさりと認める。
しかし漣の動きを読んでいた千堂
これ以上確固たる証拠がないと分かった上ですべてを自白し
隠していたレコーダーも破壊する。
諦められない漣は、千堂が過去に汚職や悪事にからんだ経歴がないか探り始める。
そのために、千堂と対立している派閥の長・吉永春樹(光石研)に情報を求める。
冷たくあしらう吉永だったが独り言のように呟く。
「5年前 調布で起きた傷害事件…。
なぜ犯人が捕まらないのか、今でも不思議でなりません」
事件は5年前、スポーツカーにクラクションを鳴らされて口論になり
突き飛ばされた被害者が頭を打って全治3か月。
被疑者は車で逃走。防犯カメラの映像から車種を特定できたが、盗難車であったため身元を特定することができず捜査は打ち切り。
この事件の指揮を執ったのが千堂だった。
爽(広末涼子)の発案で富樫(岡田健史)を連れ、4人で婚約者の優愛(仲里依紗)と会うことになった漣。
そこで千堂の愛車の話題になり、大事にしていたスポーツカーを今は乗ってないと優愛が言葉を濁す。
優愛と2人だけになって漣は、もう1度千堂がスポーツカーを買い替えた時期を聞いて反応を確かめる。
刈谷(橋本じゅん)の情報で、事件のあと被害者のところに刑事が見舞金を持ってきていたことが分かった。
見舞金100万。
その金を持って行ったのは、千堂派の元出世頭である佐久間(少路勇介)。
事件の加害者の車両は千堂の車で間違いないと漣は確信する。
佐久間と会い事件当時のことを聞く漣。
漣の予想通り犯行車両は千堂の車で、証拠は隠蔽されていた。
千堂に失脚させられたと思い込んでる佐久間はすべてを話
漣は週刊誌記者を呼んで、この事件を記事にするよう頼むのだった。
クラブに千堂を呼び出した漣。
「単刀直入に言います。あたなを告発します」
千堂の車に乗っていて被害者を突き飛ばしケガをさせたのは優愛だった。
その証拠として佐久間から渡されたドライブレコーダーの記録を出す。
事前に優愛にも事件を明るみにすることを確かめておいた漣は千堂を追い詰める。
しかし、漣を甘いと一笑する千堂。
佐久間は漣にハメられた真相を教えられ、偽の証拠を握らせていた。
さらに事件記者にも電話をかけ、スクープと引き換えに事件を表に出さないように取引してみせた。
その事情を聴いたのはママの志歩(高岡早紀)。
母親の治療を千堂に頼んでいるママは、漣を裏切り千堂へ情報を流していたのだった。
「俺はお前ごときが倒せる相手じゃないんだよ」
千堂は倒れた漣の前で、23年前の漣の父親を自殺に追いやったことを話し出す。
自殺に追い込んでもみ消しする汚れ仕事で薩摩派の恩を買い、警視正への推薦をもらったという千堂。
出世のために他人を犠牲にしたことを非難する漣に
お前も同じことをしてただろうと、漣の出世のための悪事を持ち出す千堂。
千堂に完全敗北しながらも、反抗を水に流され許された漣は
千堂の娘の優愛と結婚式を挙げる…。
第5話 感想
いやーやるねー 千堂大善
なかなかの悪役っぷりだね これは
初っ端の回想シーンから、父親に死なれた子供にむかって
「お父さんは勇敢だった、でも警察官としては三流だった」
わざわざ言うかそんなこと。
そして正体を明かしたあとも漣を煽るねー
「その顔 親父さんの最期の顔にそっくりだ」
漣を蹴り飛ばしておいて
「安い正義感がいかに愚かなものか、それがよーくわかったはずだ」
そして出世のために他人を利用していたことも見抜いていた千堂。
「俺とお前は同じさっちょうの悪魔なんだよ!」
まるで新な”さっちょうの悪魔”は俺が育てた!と言いたげ
さっちょうは警察庁のサッチョウかな?
そしてクーデターを起こした漣を許し飼いならそうとする千堂。
ただの子悪党ではなく、漣の味方だった志歩ママや新聞記者を懐柔するずる賢さがあり、有能で器の大きさもあるのが分かる。
それに比べてしまうと漣は千堂の言う通り甘すぎ
もう同期の新垣から
「お前が千堂部長のあら探しに躍起になってるって専らの噂だ」
と、言われるようでは動きは千堂にバレバレだろう。
それに自分がハメて追い落とした佐久間を信じ切るというのも迂闊。
それにもまして千堂のあらを見つけるはずが、自分が出世のために犯罪を助長させたことを掴まれてしまっている。
漣の仇となる黒幕千堂だったという意外性よりも
ラスボスが想像以上に強大で狡猾なことに驚いてしまった。
漣の父親を自殺に追い込んでおいて
子どもの漣に声をかけ
親父と同じ道をたどれと言ってみたり、警察に入ってきた漣を可愛がったりした千堂の真意はどこにあるのだろうか。
1話、2話の段階では正直見るのを続けるかどうか迷ったくらい、ここから先の展開に期待できそうな感じがなかったんだけど、3話、4話で引き込まれていき、この5話で完全に漣と千堂のやりとりに魅了された。
やはり1話では漣がどうして悪に染まってまで出世したいのか、父親の真相に近づける確信があるのか、よくわからなかった。
それが父親の死の真相を知ることで倒すべき敵が容赦ない悪だと分かった。
一度は父の仇である魔王に挑み、そして敗れ、ぼろぼろになりながらも再起を果たそうとするシナリオは、少年漫画にも通ずる熱い展開だ。
唯一気になった点は役者の実年齢と年齢設定だろうか…。
玉木宏41歳 広末涼子40歳 仲里依紗31歳
渡辺大知30歳 馬場徹32歳 岡田健史22歳
玉木宏が10歳近く若い役者さんと同期なのはがんばって脳内で補正していたが、岡田健史が18歳年上の広末ばっかり追っかけるのは何なのか。実際の年よりもう少し上の設定だろうけど、それにしたって20代の半ばの男がわざわざ40歳の女性に興味持つのかな…と思ってしまう。
優愛のもてなしで爽の「アウトオブ眼中」の言葉に優愛が若すぎて知らなぁいみたいな話だったけど、広末と仲里依紗の見た目年齢にそこまで世代間ギャップを感じられず、ここも少々違和感が。逆に広末からは優愛に「こんなに若くてかわいい彼女」という発言があったので、それならもう少し若い女優さんの起用でもよかったかなぁ。
1週遅れなのでこの記事を書いてる時点ですでに6話は放送済み。
あらすじは書いておきたいセリフの連続で端折れるところがなく、今回は時間がかかってしまった。
また6話からの第二部にも期待したい。