潤平(仲野太賀)は高校の時の担任・真壁(鈴木浩介)を呼び出し、焼き鳥屋で相談事を持ち掛けようとする。
マクベスという名前の由来は実は、真壁が元で”真壁の教え子=マカベス”を変えたもので、奈津美(芳根京子)が考えたものだった。
一方、理穂子(有村架純)は妹のつむぎ(古川琴音)が熱帯魚の世話をする姿を見て昔のことを思い出す。
自分の世話を献身的にしてくれたのもそうだが、昔からつむぎは面倒見がよかった。中高は野球部のマネージャーをやり伝説的な活躍をしたが、その後は”マネージャーみたいな仕事”を探すもなかなか上手くいかず、ある日突然水商売の仕事に就いた…。
瞬太(神木隆之介)は早くに父を亡くし母親との関係はうまくいってなかった。
三者面談では瞬太の希望をすべて否定し自分の考えを一方的に押し通そうとする母の友利子(西田尚美)。
そんな母親に嫌気がさし、瞬太は高校を卒業をしてから絶縁状態。母とはずっと会っておらず音信不通の状態であった。
瞬太の携帯へ母親から頻繁にかかってくるようになるが瞬太はそれをすべて無視。
見かねた春斗(菅田将暉)が電話に出ると、それは病院からで瞬太の母は明日に死ぬ状態だという。
それでも頑なに会いにはいこうとしない瞬太。
春斗と潤平が説得しようとするが逆に激昂してしまう…。
アパートを出て野良猫のように公園にいる瞬太。傷ついたものや壊れたものを放っておけない性格のつむぎへ送られたSOS。
それを姉が解読し、瞬太はつむぎの付き添いで最後に母親に会うために病院へと向かう…。
いっぽうその頃、春斗たちの部屋を訪ねていた真壁に潤平は解散すべきか・それとも続けるべきか…率直な意見を求める。だが、真壁の口から出た答えは潤平たちの期待に反し
「そりゃ解散したほうがいい」
であった…
第4話
28歳はドラマの中でマクベスの3人と中浜さんの年齢であり、演じている4人の実年齢でもある。
特にキリのいい数字ではないが、27歳・28歳というのは何かとボーダーラインとなる年齢だと思う。
例えば高卒で入団したプロ野球選手なら24、5歳クビにするのはまだ早い。
のびしろがあるのだからだいたい10年は見てもらえる。しかし28歳ともなれば、もうクビにされてもしょうがないなと思える年齢ににさしかかっている。
一般社会でも「ははは、まだ若いんだから」
みたいに多少のことは多めに見てもらえたことも通用しなくなってくる頃。
物語の中では瞬太は母親と断絶。
だけど最後につむぎの言葉もあり、母親に会いに行き言葉をかけてあげることができた。
これが本当に良かったなと思う。
きっと行かなかったらずーっと後々まで自分の行動に自分が苦しめられることになっただろうな。
僕も瞬太みたいに、20代の前半のころは家族なんて関係ない!自分は一人で生きるんだ!そんな風に思っていた。
だけどある年齢になってふと気付く…自分は一人で生きてきたわけじゃない、誰かに支えられようやく生きてきた。その最たるものが親であり、否が応でも生まれてから大きくなるまでは親に育てられ食べさしてもらい社会に出るための必要なことを教わった。
だから親には感謝するしかないし、恩返しをしなきゃいけないと思うし、会いに行かなきゃいけないと思った。
半分親と断然していたような関係を見直したのは確か28歳ころだったと思う。
そしてマクベスを続けるか解散するか、迷っていた春斗と潤平。
真壁に期待していた言葉は
「マクベスをしゃにむにやれよ(続けろよ)」という言葉。
しかし期待に反して出てきたのは
「そりゃあ 解散した方がいいと思うぞ」
「18から28までとこれから先の10年は別次元の苦しみだぞ」
という答えでした。
これも僕は同じように経験しているので分かるのだけど
というか僕は逆に30代の半ばで仕事を辞めて、プロの文筆家になると一方的に宣言したものの当然理解を得られるはずもなく、精神的には相当に孤立した。
だから思うけど
これはちゃんとした大人の意見、責任ある大人の回答だと思う。
30歳を過ぎて定職にも就いていなければ親戚が集まったりした時に肩身の狭い思いもするが、親はそれ以上だ。
さらに30代となれば、友達はみんなしっかりポジションを上げて安定した地位を手に入れてるのを見て、不安にならないはずがない。
20代の若いうちは夢を追うのってかっこうよく見えるけど、30歳を過ぎてくると守るべきものを持っている人間が急に輝いて見えてくる。
そして迷ってると言いながら
本当は続けるための後押しを欲しがっている潤平と春斗の気持ちもよく分かる!
難しい…。
解散すべきかどうか。自分に相談されたら、たぶんほぼ真壁先生と同じこたえになると思うんだけど、続ける道があるのなら続けてほしいとは思う。
例えばどこかの劇団にしょぞくしちゃって普段はふつうの舞台に出る、とかね。
それにしてもここまでつむぎの存在意義がいまいち分からなかったが、ここにきて大きく存在感を放ってきた。
人と人をつないでいく不思議な力。もうつむぎ=古川琴音 主演での映画 『つむぐ(紡ぐ)』といのが1本撮れそうだ。