2杯目 初恋珈琲
ついにぺい(磯村勇斗)に追いつかれワゴン車の中で青ざめる青山(中村倫也)。
さらにカフェで偶然再会した垣根志麻(夏帆)も現れてしまい、ぺいから「どこか静かなとこで3人で話そう」と言われ逃げられなくなる。
ぺいの目的は青山を花菱(渡辺大)のもとへ連れていくこと。
車の中で青山とぺいが昔からの知り合いと聞き、純粋な志麻は青山の珈琲屋をやる前の過去を聞いてしまう。
「強いていえば清掃業かな」と答えるぺいだが、もちろん真っ当な職ではなく、依頼された人間を血に塗れながら消すという裏の世界の仕事だった…。
ぺいが自分の足をナイフで刺した間に車でその場を離れる青山。
いっぽう青山に接触しながらも取り逃がした失態を花菱に責められるぺいは、事務所で囲まれぼこぼこに殴られていた。
自分の血の赤さを見て、小学生のころの同級生の真っ赤なランドセルを思い出すぺい…。
それはぺいの少年時代、席が隣になったひとみという女の子。
家が貧しく父親に暴力をふるわれるぺいは、早くも人生に絶望を抱いていた。
そんな時、父親に殴られ学校を休んだぺい。
そこにひとみが来てコーヒーゼリーを食べようと誘われる。
淡い恋心を抱いていたぺいはひとみの家に行きコーヒーゼリーを食べるも、コーヒーの味が分からないぺいにとって、それはただ苦くて甘くて冷たい…それだけの食べものだった。
そして青山の過去。
人を始末する仕事をして、心まで失くしていた青山。まるで自我を失くしたようにぺいの制止も聞かずに殴り続けるほど壊れていた。
そんな時、路地裏でホームレスのたこさん(光石研)と出会い、本当においしいコーヒーを淹れてもらう。
そのコーヒーの味に感動し珈琲の虜になった青山は、ぺいにも黙って足をあらい、花菱たちの金を盗んで逃げ今の移動珈琲屋を始めたという…。
第5話
本当に反社会勢力に属して人殺し稼業のようなことをやってた青山の過去でした。
どこかでギリギリ犯罪までは手を染めていない青山の過去を期待していたんだけど
…完全にやっちゃってたみたいですね。
珈琲いかがでしょうが放送開始してすぐの時
ぺい役の磯村勇斗さんのインタビュー記事を見た。
「彼は青山に近づくある目的があるのですが、その理由をバレないようにしなければいけないので、憎たらしく悪い感じに映るように演じている部分があります。あえて何を考えているか分からないようにしているところもあるんじゃないかな、と。
ぺいはチンピラですがそこまでオラオラしていなく、人間らしいところも多い人物だと思うので、そこを大切に演じていきたいです。ただ、登場人物を騙しているのと同時に視聴者も騙しているので(笑)、とくに前半はつかみ所がない人物に映っていると思います。
という話でした。
視聴者を騙している?という部分が本当は見た目とは全然違う人間なのかなと思ったんだけど、そんなことはなかったようです…。
この第5話は珈琲いかがでしょうの中ではかなりバイオレンスな映像が出てくるのだが、それでも青山とぺいとそれぞれの想いにはどこか切なさを感じさせる。
そして、コーヒーがぺいにとって憧れの人との距離感、住む世界が違うことの象徴として描かれる。
狂人のように暴力をふるう青山を慕っていたぺい。
しかしそんな青山はコーヒーというよく分からないものに魅了され、自分たちの世界から消えてしまった。
初恋の時も、コーヒーゼリーが好きなあの子。
そして大人になって偶然再会し喫茶店へ。
コーヒーをおいしいと飲む彼女に、コーヒーの美味さなど分からないぺい。
味覚も思考もこどものままだったぺいにとって、コーヒーが高尚な飲み物に思えたのだろう。そしてコーヒーを味わう彼女はちゃんとした大人であり、自分の住む世界とは別の世界の住人、そういうコンプレックスを抱えていたのだろう。
だからこそ青山にもコーヒーなんてものに出会わずに、ずっとこっちの世界に居て欲しかったのだろう。
ぺいについてはまだ完全な敵とも思えない節があり、花菱や3代目(?)とも違う個人の目的で青山に接近したようにも見えるが、どうなのだろうか…。
それにしれも、まともな役を演じる中村倫也はもちろん魅力的だが、金髪で死んだ魚の目をしたイカれた野郎にもゾクッとさせられるわな。