1杯目「男子珈琲」あらすじ
鏡の前で体を鍛えるナルシストで意識高い系サラリーマンの飯田正彦(戸次重幸)。
仕事の時もキザなスーツできめて、首にはヨン様を意識させるストールを巻いて颯爽と歩く。
女子社員たちにコーヒーを驕り、コーヒー豆のウンチクを得意気に語っていた。仕事の成功も自分の手柄だと誇らしく思い、一緒に仕事をする同僚の森(小手伸也)の髪が薄くなっても腹が出ても気にもせず、その意識の低さや鈍くささを心中では見下していた。
ところがある日、飯田は女子社員たちが自分の悪口を言っているのを偶然聞いてしまう。
奢ってもらう為にただおだてられていただけで、ウンチクを語るドヤ顔に引かれていた。ヨン様を意識したストールもきつめの香水も”勘違いしている痛い奴”と思われていたことを知ってしまったのだった。
しかも妻にまだイケてることを確認したかったのに「え、まだ自分がイケてると思っての?」と言われる始末。
しかも心の中でバカにしていた森は、きちんと仕事をしてそれで人も立てる懐の深さと大らかさを持ち、そのことがちゃんと評価され飯田よりも先に出世していった。
やりきれない飯田はコーヒーを飲みながら青山(中村倫也)につい愚痴るのであった。
1杯目「珈琲男子」 感想
すごいな。勘違いして格好つけて自意識高くて中身のない痛い奴ってまんま戸次重幸さんのためのような役じゃないですか。
まぁ男ってだいたいどこか自分がイケてるって思いこんでるナルシズムって絶対にあるから、この飯田を心からバカにできる男っていないと思うけどね。
一方の同僚の森役をやった小手伸也。
これもアリだと思うけど、本来はスーツの時のような実はキレ者でちょっと嫌味な奴、の方が本来の味が出るのかなぁ。
一緒に居て安心できるは森の方だと思うので、現実の職場でも案外人気があるのは森みたいなタイプかもしれない。
自分が部下から嫌われていて仕事面の評価もされてなかった事を知ってしまった飯田。
そのことを珈琲を飲みながら青山に話すと「ブレンドの妙味」というものを実際のコーヒーで味あわせてくれた。
そしてその中で青山が飯田にかけた
「自分を知ってる人はかっこいいです」という言葉。
これは案外奥深い言葉かもしれない。
組織の中ってこの”自分を知ることができなかった飯田”みたいな奴はいっぱいいると思う。そうやって自分が評価されることだけ気にして、自分の地位を守ることだけに執着するような奴が上に居続けて組織を腐らせてきた事例なんて、きっとたくさんあるのだろう。
だから飯田がここで自分の勘違いに気づき本当の自分を知ることができたのは、今後ちゃんと自分の財産にできると思う。まぁそういう妻が加齢臭を気に入っていたこと以外にも、ちゃんと救いがあるっていうお話だったのではないでしょうか。
2杯目「金魚珈琲」あらすじ
走っていて突然パンクした販売車。それがきっかけでアケミ(滝藤賢一)のスナックを手伝うことになる。
常連たちの間でイケメンと話題になる青山。
そんなある日、店に入って来たスーツの男・遠藤(丸山智巳)は、女装しているアケミを見てすぐに中学の同級生であることに気づく。
空気のような学生時代を送ったアケミは自分なんかのことを遠藤が覚えていてすぐに気づいてくれたことを嬉しく思う。
スナックで働きながらも母親の介護をするアケミ。今でも近所では肩身の狭い思いをさせている。
そしてそんな小さな店で働き夢も見なくなった自分の人生を金魚鉢に金魚に見立て、ひとり金魚に問いかけるのだった。
そんなアケミの胸の内をまるで見透かしたように、再び店を訪れていた遠藤は、アケミもっと輝ける世界に出ていこうと力説する。
しかし、その本当の目的は…。
2杯目「金魚珈琲」 感想
こちらもこういうオカマのママがいるとしか思えない滝藤さんのスナックのママぶり。お店の名前の”スナック アケミ”とベタで、昭和感と場末のスナック感がよく出ている。
滝藤さんのアケミはオカマだけど汚い女装ではなくぱっと見はちゃんときれいだし、下品ではなくどこかもの悲しさが漂う。
それにあのDESIREの顔芸は、あんなの絶対笑うわ!
しかしそんなアケミも、今のわたしは本当に幸せなの?と金魚にむかってひとり語り。その心の隙を同級生の遠藤につかれそうになってしまう。
いっぽう同級生役の丸山智巳。こちらは悪い顔選手権でいいとこいけそうな顔なので実は悪い奴だったという役はよく似合う。
この店に来たときは偶然見つけたと言っていたが、実は下調べをしていてアケミを認識していたのだろうか。
ともかく青山が助けに入らなければ危ないところだった。
きっとアケミはもともと弱いのだろう。それでようやく自分を偽らずに自分らしくいられる場所として見つけたのが、あの小さなスナックだったのかもしれない。
青山がいった通りアケミのスナックはあったかい場所。あのスナックを続けていくことが、狭い世界であってもアケミにとっては幸せなのだろう。
青山の過去とぺいの目的は
1杯目での登場では青山の居場所を嗅ぎつけたぺい(磯村勇斗)。そのぺいを見つけるなり車の陰に隠れる青山。
ぺいが青山を追っているなら、青山はぺいから逃げ回っているようだ(少なくとも会いたくはないらしい)。
2杯目でアケミは青山をどこかで見たことある…と思っていたが、昔どこかのクラブで派手なケンカに巻き込まれた時に助けてくれたのが、金髪の青山だった。
青山はいったい何をしていたのか?腕っぷしも強く、回想でチンピラのような連中に交じっていたとこを見ると、元々は裏の世界の人間なのだろうか…。
そして2杯目の最後、聞き間違じゃなければぺいはこう言ってた
「待ってろ 兄貴ぃ!」
は?マジですか。てことはぺいは青山の弟ということでいいのか?
これは予想外だった。
自分が想像してたのは、ぺいの妹が青山に惚れる。青山がふる。妹はショックで過食症になり太って別人に。
「妹は死んだも同然だぁオラぁ」みたいのを勝手に想像してた(笑)
なるほど、これはぺいと青山の関係、そしてペイが青山を追う理由がまた楽しみだ。
そして今回もみごとなキャスティング。
ドラマってキャスティングって大事だと思う。だってこの話も出てきた人みんな説明的なセリフ聞かされなくてもどんな人か見てればちゃんと分かるんだからね!
キャスティングの妙を味わえるってことでも「珈琲いかがでしょう」いいドラマだと思いますよ。
「ガソリン珈琲」ゲスト・野間口徹/一ノ瀬ワタル/山田真歩
「ファッション珈琲」ゲスト・光浦靖子/渡辺大
さらに1話に出ていた垣根志麻(夏帆)の再登場もあるみたいですよ。